天皇のY染色体ハプログループはD1a2aであるのか？〜日本書紀及び古事記、そして日本神話〜

大和民族の一部は天皇のY染色体ハプログループがD1a2でないかと期待している。分子遺伝学の発達により、大和民族の3割から4割がY染色体ハプログループD1a2aを持つことが明らかになった。この系統は縄文人の系統であり、アイヌ民族や沖縄人に頻繁に観察されている。

日本神話と分子遺伝学を組み合わせると、天皇の父系もまた縄文人である可能性が出てきた。以下では、筆者は天皇の父系とその歴史的な解釈を提示するつもりである。

1章　天皇

　けっきょくのところ、皇族がYHg-D1bとの情報に確たる信頼性を認めるのは難しいように思います。ただ、上述のように、その可能性は一定以上あると思います。仮に東山天皇の男系子孫がYHg-D1b1a2だとすると、同じく東山天皇の男系子孫である現在の皇族（もちろん、男性限定ですが）もYHg-D1b1a2だろう、と推定するのは合理的です。
（省略）
　YHg-D1bは「縄文人」由来と推定されており、最近の研究でもその推定が改めて支持されています（関連記事）。したがって、皇族は縄文時代以来日本列島で継続している父系だ、と考えるのは妥当なところです。その意味で、皇族は「縄文系」と言っても、少なくとも大間違いとは言えないと思います。

https://sicambre.at.webry.info/201908/article_44.html

1節　天皇の父系

天皇のY染色体ハプログループはD1a2aである可能性がある。この父系はアイヌ民族や琉球民族を代表的なものとする「縄文人」系統の父系である可能性がある。つまり、天皇陛下の父系は縄文人系統である可能性がある。

ただし、たとえ天皇のY染色体ハプログループがD1a2系統であったとしても、天皇は朝鮮半島や東アジア大陸から日本列島へと来た可能性がある。日本神話や天孫降臨を読むと、天皇は朝鮮人であるように感じる。けれども、筆者はY染色体ハプログループD1a2は朝鮮半島の南部から中部、中国沿岸部、そして日本列島にもともと自然に住んでいたと憶測する。

ありうる可能性としては、天皇が日本列島から朝鮮半島へと移動して、その後に日本列島へと戻ってきた。または、天皇は東アジア大陸や朝鮮半島に長いあいだ居住していた。そして、天皇は数千年前？に日本列島へと自然に移動した。

また、たとえ天皇のY染色体ハプログループがD1a2系統であったとしても、天皇は東洋人の人種的形質を持っていた可能性がある。大和民族の一部は天皇のY染色体ハプログループがD1a2であるかもしれないことを利用して、天皇は縄文人であったと結論づけたいように見える。けれども、Y染色体ハプログループは人種的形質を必ずしも表現しない。だから、天皇がもともと東洋人的な人種的形質を持っていた可能性がある。

少なくとも神話における天皇は縄文人的な形質でなく、東洋人的な形質であったかもしれない。大和民族の雄の3割から4割はY染色体ハプログループD1a2であるらしい。けれども、彼らは縄文人的な形質でなく、東洋人的な形質である。天皇それ自体も現代における大和民族と同じであったかもしれない。

2節　縄文人と弥生人、古墳人

大和民族は縄文人の父系D1a2を原因として、O1b2やO2aを必要として、成立した可能性がある。縄文人はあまり文明的でなかったので、彼らだけでは、天皇や神話や国家を形成できなかった。そこで、彼らはO2aやO1b2の助けを借りて、彼らは天皇を形成した可能性がある。

大和民族の父系には、D1a2とO2aとO1b2が存在する。この3種類の父系が存在して、同じ民族としてぼんやりと認識されているのかは不明である。筆者の認識では、この3種類の父系（またはこれにC1a系統を加えて）は神話における天皇の子孫、またはその仲間（必要な人々）であった。だから、彼らは宗教的に同じ民族として認識されてきたように思える（ただし核ゲノムは互いに近い）。

可能性としては、縄文人だけでは、彼らは天皇や大和民族や日本語、日本国を形成、認識できなかった。だから、彼らは弥生人や渡来人（おそらく古墳人）を必要とした。一方、弥生人や古墳人を含む渡来人は自己の民族や国家を形成する原因と持たなかった。だから、彼らは縄文人を原因として、自己の民族認識や国家を形成する必要があった。その結果、縄文人が原因になり、渡来人が必要となって、大和民族が認識されて、そして国家や言語や文字や天皇が創造された。

3節　大和民族の社会

もし天皇や武士のY染色体ハプログループがD1a2であるならば、大和民族の社会はD1a2系統が官僚や学者や商人として優秀なO系統を統治してきた社会である。上記は筆者の感覚に少しあっているかもしれない。縄文人の遺伝子が濃そうな日本人は少し好戦的である。彼らは商売や学術にあまり長けていない。その一方、彼らは軍人的（武士的、侍的）であるように見える。ただし、天皇が縄文人ぽいのかは不明である。

この場合、Y染色体ハプログループOは天皇や武士を支える優秀な官僚や貴族や商人、学者として振舞ってきただろう。これが事実であるならば、中国大陸を連想させる。なぜなら、筆者の霊感では、中国における貴族や皇帝、統治者の大部分はY染色体ハプログループC2系統を持っていたはずである。

Y染色体ハプログループC2系統が統治者であり、その下に漢民族（Y染色体ハプログループO）が官僚や学者として支えてきた。日本列島の場合、Y染色体ハプログループC2がY染色体ハプログループD1a2aになっている。この現象は男と女、雄と雌の関係に似ている。男は文明の原因であり、女や雌は必要な対象である。

2章　天皇と歴史

1節　東北人

もし天皇のY染色体ハプログループがD1a2であるならば、Y染色体ハプログループO1b2及びO2aの東北人は縄文人の父系を憎んできたことになる。つまり、朝鮮民族や漢民族に多く観察される父系が日本列島における自然民、つまり縄文人の父系を憎んできたことになる。

一般的に、東北人は天皇を侵略者と感じている。だから、彼らの一部は天皇の廃止を望む、かつ天皇制を嫌っている。しかし、もし天皇のY染色体ハプログループがD1a2であるならば、Y染色体ハプログループO1b2及びO2aの東北人は縄文人という自然民の父系を憎んできたことになる。

そして、侵略者であったのは、天皇でなく、核ゲノム的にも父系的にも渡来人である東北人である。これはアメリカ大陸の西欧白人がアメリカ先住民とその神話を憎悪するような行為である。東北人は彼ら自身が縄文人に近いと信じきっているが、父系では渡来人である可能性がある。

2節　落差

もし天皇のY染色体ハプログループがD1a2であるならば、意外性が存在する。天皇の顔を見ると、彼らは北方の東洋人の顔である。だから、彼らの父系はモンゴル人や満州人の父系であるように感じる、またはそう推測したくなる。

しかし、もし天皇のY染色体ハプログループがD1a2であるならば、日本神話が単なる滑稽なお話でなく、神話的、宗教的、そして歴史的な価値を持つことがわかる。そして、縄文人の父系が天皇のような日本国の象徴として生きてきたことは奇跡的にも思える。

3節　併合

Y染色体ハプログループO1b2の自然な生息地は日本列島と朝鮮半島、そして満州であるらしい。Y染色体ハプログループから歴史を見ると、興味深いと感じるのは筆者だけであるのだろうか？大日本帝国は自己のY染色体ハプログループに歴史的、父系的、神話的に強く関係する、または、してきた地域を併合できたが、そうでない地域の併合には完全に失敗してきた。

これは欧州連合にも言える。スペイン人やイタリア人は欧州人（白人）でなく地中海人である。けれども、彼らは欧州連合によって組み込まれている。なぜなら、スペイン人やイタリア人はY染色体ハプログループR1bを持つ。一方、トルコは東ローマ帝国であったのに欧州連合へと組み込まれなかった。なぜなら、トルコ人のY染色体ハプログループはJ2系統である。

なお、東欧白人はY染色体ハプログループR1aである。北欧人やバルカン人はY染色体ハプログループIである。白人も西側と東側で綺麗に分かれている。バルカン人も北欧人も独自路線である。フィンランド人のY染色体ハプログループはNであり、彼らも独特であるように見える。

Y染色体ハプログループD1aはチベット高原と日本列島であり、Y染色体ハプログループC2はモンゴル平原であり、彼らもまた中華（O2a系統）から分離されているように見える。

電飛

（1）天皇のY染色体ハプログループ（雑記帳）
（2）天皇のY染色体が、大陸に多い、ハプログループO2の場合どうしますか？（知恵袋）